写真詩

一時停止

住所があること 二人の親がそろって居ること 料理に文句をつけられること 遠い未来の自分を案じていられること 他人が自らのすべてに及ばないこと 地球に程よい重力があること 牛乳を冷やしてしばらく保存しておけること すべての事象が必然であること 全知…

無題

掘り進めているのは トンネルなのか ここでやめたらトンネルではない 敷き続けているのは 線路なのか 長いほど褒められるのだろう せっせと作っているのは 未来の自分なのか ここでやめたら名残惜しい

海の生き物

ぼくらがまだ若かった頃に 少し荒らしてしまった海 声ばかりふやけて 人権問題を論じていた海の生き物 潜りたくて空を見上げたくて、 潜りたくて息継ぎをしたくて、 ✕✕ 天井から垂れ下がるひもに唾をつけて 風を感じてみたいと思うことがある 干からびてしま…

喜び

生き生きとした喜びを おれは今 感じている ひしひしと 内側から湧き上がってくるものだ ああ しかしこの気持ちを簡潔に 簡明に伝えることができない 暗く落ち込んでいたころには ぽんと言葉が出てきたものだが おれはひねくれているのだろうか この喜びを直…

昼間の三行詩

早く干されればいいのに洗濯機の中の洗濯物。 いつまでそうしているんだ洗濯機の中の洗濯物。 おれがやるのか。。。

間(あいだ)

間を埋めておくれ さびしいのはきらいだ 一個一個が孤立していて... https://www.breview.org/keijiban/?id=5070

沈黙

すこし汗かいて すこしせわしく話して 沈黙はそれからでいいだろう 今はまだやるべきことがある じっとしてはいられない 沈黙はそれからでいいだろう 気安く地上を離れ 高く空を駆け上がり それからの沈黙でいいだろう

失題

行方不明である 令和元年五月一日に書かれたこの詩の題名は どこかへ行ってしまった 机の引き出しや 庭先 みかんの房の間 あらゆる場所を探したが 見つからないのである いつのまに食べてしまったのか 汗ばんだ手が消してしまったのか それとも自分で逃げ出…